面接官に大切な基本姿勢とは?
社員に面接官スキルを学ばせたい社長にお尋ねします。
応募者の過去の経験を掘り下げる上で大切な基本姿勢は何ですか?
面接において応募者の過去の経験を掘り下げるメリットは以前お伝えしました。掘り下げることは大切だと分かっていてもいざ実行するとなると中々難しいものですよね。実は掘り下げるには大きく行って2つのスキルが必要になります。
面接官が使いたいカウンセリングスキル
カウンセリングスキルを使う意味とは
カウンセリングというと何かの相談を受けるというイメージを持たれる方も多いと思います。
実はカウンセリングの<基本となるのが『傾聴』といって相手の話を聴く姿勢のスキル>なのです。
応募者の経験を掘り下げる面接をするということは応募者に多くのことを話しいただく必要があるわけです。
面接官が「じゃあ話して!」と思っても応募者はそう簡単に自分の過去を赤裸々に語ってくれるものではありません。聴く姿勢が非常に大切です。
私がヒアリングするという意味で「きく」という感じを「聞く」ではなく「聴く」と
書くのにも意味があります。これはカウンセリングスキルの『傾聴』と同じ意味ですが、
その人自身を理解しようと真摯に寄り添うという意味が込められています。
では具体的にはどのようにすれば良いのでしょうか?
面接官が応募者の経験を聴く姿勢(カウンセリング)
面接官が応募者の経験を聴く上で、まずご自分の姿勢をチェックしてみてください。
以下のようなことを意識して応募者と接しているでしょうか?
•アイコンタクト
•うなづき、あいづち
•向きと距離間
•声のトーンやペース
•否定しない
•主役は学生(応募者)
•話しすぎない
なんだ、そんなこと?思った方がいいるとすればそこが間違いの始まりです。
少なくとも私がコンサルティングを行った企業や面接に陪席させていただいた多くの企業において
傾聴する姿勢がほぼ出来ていた面接官はほとんどいませんでした。
わかっていると出来ているは大違いだということです。
是非、社内において簡単なロールプレイを行なって練習し面接官としての基本姿勢をトレーニングすることをオススメします。
面接官のトレーニング法 ロールプレイのやり方
お伝えしたように「わかっている」と「出来る」には大きな違いがあります。
是非時間を作って面接官を担当する社員にロールプレイを実施させてください。
1.2人1組で「面接官役」と「応募者役」に分かれる
2.「応募者役」の方はご自分の経験もしくは仮想で「苦労を乗り越えた経験」を用意し話す
3.「面接官役」は5分間使って「応募者役」の経験を掘り下げる
4.チェックすべき観点は基本姿勢とし終了後「応募者役」から「面接官役」にフィードバックする
5.役割を変えて繰り返す
以上のような要領です。フィードバックするときは「GOOD」(良かった点)と「もっと(MOTTO)」(改善点)に分けてフィードバックするとお互いに学びあう良い機会になります。
応募者の経験をどう掘り下げますか?
部活などに長い年月を費やしてきた応募者は企業にとっても金の卵になりうる人材です。
しかし上記の全ての人材が貴社にマッチするわけではありません。
それは部活への向き合い方、それぞれが経験してきた道のり、経験を通して学んできたこと、
その時の立ち位置、などなど個人によって全く異なるからです。
応募者の経験にフォーカスして面接を行うことで入社後のミスマッチが少ない採用が可能になります。
つまり3年後離職率を下げる対策になるということです。
部活などに長い年月を費やしてきた応募者は「継続力」を自己PRにしがちです。
「継続力」というとらえ方が一般的すぎて個性がないと言ってしまえばそれまでですが、
果たしてそれでよいのでしょうか?ここをしっかり掘り下げることで応募者の隠れた
ポテンシャルを発掘できるとしたら、掘り下げ方のスキルは非常に大切です。
例えばサッカーを小学3年からやってきた学生がいたとします。ありがちな自己PRは
「私は13年間サッカーをやってきました」という伝え方です。
そこで聴く側がすべきことは小学校、中学校、高校、大学と時期を区切って応募者に思い出させることです。
経験の掘り下げ方スキル 3つのポイント
1.【時系列に整理する】
小学校、中学校、高校、大学、それぞれのステージで思い出に残っている大会や練習について思い出してもらいましょう。あらかじめ過去の経験を整理するシートを書いてきてもらうと面接時にも効率よくヒアリングすることが可能になります
2.【挫折経験、苦労した経験を聴く】
部活などに長い年月を費やしてきた応募者の多くはかなりの確率で挫折や苦労をしています。例えば怪我です。私は学生と面談をしていて部活経験者に「怪我をした経験は?」と聞くとほぼ100%「あります」と答えが帰ってきます。また、レギュラー争いもそうです。思い出に残る大会も必ずあります。出来るだけ「いつ」「あの時」「あの場面」というようなイメージが鮮明に浮かぶ経験を引き出して面接官も一緒になってイメージして下さい。
3.【プロセスの話をしっかり聴く】
場面が特定出来そうな具体例が見つかったらより詳細に話を掘り下げます。こつは以下のポイントを聴くことです。特に1~5が大切です。
1.その時の状況
2.その時の課題や問題点(個人またはチーム)
3.本人がどう関わったのか
4.課題や問題に対してどのような打ち手を打ったのか
5.その効果はどうだったか
6.結果はどうだったか
7.その経験を通して学べたことは
このように掘り下げてヒアリングをすることで以下のようなことがわかります。
・応募者がどのような経験をしてきたか
・挫折、壁に当たった時、どのような行動を取る傾向があるか
・主体的に行動出来る人物か
・問題、課題に対して的を得た打ち手を打てるか
・チームを巻き込んだ行動、打ち手を打てるか
応募者の経験をしっかりヒアリングすることで入社後の行動についての再現性が予測されミスマッチの少ない面接、採用が出来るようになります。
アルバイト経験の掘り下げ具体例
今日は応募者のアルバイト経験をどう掘り下げるかについてお伝えしたいと思います。
応募者が学生の場合、アルバイトの経験はその学生を判断する大切な基準になります。
ですが多くの学生は自分のアルバイト経験について十分に表現出来ていないのではないでしょうか?
表現出来ない=評価が低いという判断も確かにあるかもしれません。
しかし、本当にそれで良いのでしょうか?貴重な人材との出会いの機会を損失していることにはならないでしょうか?
では、アルバイトの経験はどのように掘り下げればよいのでしょう。
ヒントはアルバイトでの業務経験の細分化にあります。
例えば飲食店でアルバイトをしていた学生がいたとします。多くの学生は飲食店で働き
色々な業務をしていたという伝え方をする傾向にあります。その色々な業務を細分化、
具体化することがコツです。具体例をご紹介しましょう。
業務内容を細分化する
例えば飲食店での考えられるアルバイトの業務にはどのようなものがあるのでしょうか?
1.接客
2.教育
3.レジ締め
4.リピーターづくり
5.発注
少し考えてもこれだけの業務が考えられます。他にも学生の行うアルバイトで多いのは
コンビニやドラッグストアですが、小売業の場合「品出し」も重要な業務になります。
その他POP書き、キャンペーン商品の目標達成など掘り下げると様々出てきます。
さらに出てきた業務内容においてどのような行動をしてきたのか掘り下げて聞きましょう。
【プロセスの話をしっかり聴く】
場面が特定出来そうな具体例が見つかったらより詳細に話を掘り下げます。
コツは以下のポイントを聴くことです。特に1~5が大切です。
1.その時の状況
2.その時の課題や問題点(個人またはチーム)
3.本人がどう関わったのか
4.課題や問題に対してどのような打ち手を打ったのか
5.その効果はどうだったか
6.結果はどうだったか
7.その経験を通して学べたことは
掘り下げて聴くことの効果
このように掘り下げてヒアリングをすることで以下のようなことがわかります。
・応募者がどのような経験をしてきたか
・挫折、壁に当たった時、どのような行動を取る傾向があるか
・主体的に行動出来る人物か
・問題、課題に対して的を得た打ち手を打てるか
・チームを巻き込んだ行動、打ち手を打てるか
応募者の経験をしっかりヒアリングすることで入社後の行動についての再現性が予測されミスマッチの少ない面接、採用が出来るようになります。
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